カンナ流資金管理法

1.資金管理とは

そもそも資金管理とは

言葉の通り『資金を管理する』 こと。
投資資金に合わせた適切なトレードをしたり

必要以上の 損失を防ぐことがとても重要です。
私が意識しているのは3つのポイントです。

1.リスク許容度の設定
2.リスクリワード比の考慮
3.ポジションサイズの適切な決定

これらを意識するだけでも
FXでの生存率、成功率は格段に上がります。

これらの詳しい内容をセクションごとに説明していきます。

2.リスク許容度の設定

FXには必ずと言っていいほど負けが発生します。
実際の取引では、完全に損失を回避することは非常に難 しいです。どんなトレーダーでも損切りを行い、損失を 受け入れなければいけない場面は必ず訪れます。
損切りは、リスクを管理し、トレード資金を保護し、リ スクを最小限化するための必要手段です。人間誰しも自 ら損失を受け入れることには抵抗があるものですが、資 金が減れば減るほどリカバリーは難しくなるものです。 退場せず、資金を守るためにも損切りは必ずするように しましょう。
では具体的にはどのように考えればいいのか FXで損失許容額を考える上で一度は耳にしたことがある
のは2%ルールではないでしょうか。 知らない方のために簡単に説明すると トレードでの1回の損失額を2%に設定すること


こちらのグラフはトレードした損失を戻すのに
次のトレードでどのくらいの利率を目指せばいいかを 簡単に表にまとめたものです。

わかりやすく説明すると
100万円からスタートして資金が50%に減った場合、
元の資金に戻すには、残金の100%にあたる50万円のリターンを得るとができれば元の100万円に戻ります。

リターンの計算は次のようになります
(損失額 ÷ 残りの資金) × 100 = リターン率 (50万円 ÷ 50万円) × 100 = 100%

つまり、50%の損失に戻すには元のに戻るためには
残り資金に対して100%以上のリターンが必要となります。

ここまでになってしまうと取り返すまでのトレード回数は
相当なものになってしまいますし

資金を1回で倍にするとなると退場のリスクも大きくなります。
仮に10%の損失であれば、残り資金の11.1%の利益を出せばほとんど元の資金に戻ります。

50%の後に11%と聞くと簡単に聞こえてしまいますが
この世界においての10%も水準としては高いので、
私は資金に対してのリスク許容度のMAXは10%だと思っています。

3.リスクリワード比の設定

リスクリワードは、トレードにおける 「リスク=損失」と「リワード=報酬(利益)」の比率のことです。

トレードの際に
「1回の取引でどれだけのリスクを取りながらどれだけの利益を得ることができるか」

リスクリワードは、「期待pips」÷「損失pips」で算出します。
例えば、ある取引に関して、利確ポイントでの利益が20pipsとなり、損切りポイントでの損失が10pips になる場合を考えます。

この場合、20÷10=2となり、リスクリワードは「2」と なります。
リスクリワード「2」で10回トレードした場合では
勝率が40%であっても、利益は4勝して80pips、損失は6敗して60pipsとなり、期待できる獲得利益は20pipsです。

リスクリワードが大きければ大きいほど
勝率が低くてもある程度の利益を見込むことができます。

次にリスクリワードを「1」(利確ポイントが10pipsの 時の、損切りポイントも10pips)とし
10回取引した場 合、勝率が50%であれば、期待できる獲得利益は0pips です。

ですが勝率が60%の場合は、6勝したことになり、
60pipsの利益、4敗したことでの損失は40pipsになるので、期待できる獲得利益は20pipsになります。

このように、リスクリワードが 1以下の場合は50%以上 の勝率が無ければマイナスになってしまいます。

勝率とリスクリワード比の関係は
こちらのバルサラの破産確率表というものを参考にすると一目瞭然です。
縦軸のリスクリワードが高ければ高いほど勝率は低くても大丈夫ですが
低ければ低いほど勝率が求められます。
ただしここで注意しなければならないことがあります。

リスクリワードが1の場合、ある一定のポイントから上下10pipsを
それぞれ利益確定(TP)と損切り(SL)のポイントとして設定した取引では、
相場状況やスプレッド などの条件を無視した場合、どちらが先に到達するかの 確率は50%ずつになります。

リスクリワードが1の場合、ある一定のポイントから上
下10pipsをそれぞれ利益確定(TP)と損切り(SL)のポイントとして設定した取引では
相場状況やスプレッド などの条件を無視した場合、どちらが先に到達するかの 確率は50%ずつになります。


リスクリワードが高いほど
利益を確定させるポイント までの距離も大きくなるため
相場の変動や取引のタイミングがより重要となります。
本来はここに相場状況やスプレッドなどどちらかに有利に働く諸条件が反映されるため
一概にこの通りというわけではありませんが
おおまかなイメージは掴めたのではないでしょうか。

4. ポジションサイズの設定

FXにはLotという単位が用いられます。
Lotの話には通貨量という言葉が付きものですが この通貨量によってlotの見方も変わってきます。
まず1lotという単位ですが 口座の種類や証券会社によって1lot あたりの通貨数は変わってきます。
今回はカンナスクールの皆さんに開設していただいた 口座をベースに説明していきますので

1lot=100,000通貨を前提に話を進めていきます。
クロス円ですと以下のようになります。

EUR/USD など外貨同士の通貨ペアの場合は ここに現在のドル円レートを反映させます。
計算方法はいろいろあるのですが ここでは超簡単に計算する方法を紹介します。


1ドル= 140円 の時に
EUR/USD を1lotで エントリー して
10pipsの値幅をとった場合
1 ドル円レート ×1/100 をする
140.00×1/100 =1.4000 ここはわざわざ計算しなくても 百の位に小数点をずらしてあげるだけで大丈夫です
2 クロス円だったらどのくらいの金額が取れているか調べる
この場合だと1lotで10pips取れているので

上の表を参考に、
1000円×10=10,000円 の利益だとわかります
3 1と2で出した数字を掛け算する 1,4×10,000 = 14,000
たったこの3ステップでクロス円以外での

損益をある程度計算することが可能です。
ではここで本題です エントリーする際のロットを決めるためにも いろいろな方法があると思いますが
私の使っている計算方法をみなさんに共有しますね。
少し複雑に見えるかもしれませんが 一度覚えてしまえばずっと使えます。
まずロット数を求める前に
みなさんに考えておいてほしいのが
1損失許容 →資金に対して何%まで(何円)なら損切りしていいか 2%~10%
2損切り幅
→どのくらい逆行したら損切りするか
この2つです

今回は口座残高が10万円で資金に対して10%のリスク を許容し 10pipsの逆行で損切りという仮定で進めていきます。
包み隠さずに公開しますが
この2つから適切なロットを導くための式はこちらです
口座残高 × 損失許容(%) ÷ 損切り幅 ÷1000
先ほど立てた仮説を使って 実際に解説していきます。
1口座残高 × 損失許容(%) から 実際の損失許容額を出します。
100,000円 × 10% (0.1) = 10,000円 (口 座 残 高 ) (損失許容) (損失許容額)
あらかじめ金額を決めている場合は
この計算を省き、金額を直接入れても大丈夫です

2 1で出した損失許容金額を損切り幅で割る
10,000円 ÷ 10pips = 1,000円 (損失許容額) (損切り幅) (1pipsあたりの値動き)
3 2で出した値を1000で割る
1000円 ÷ 1000 = 1 Lot
たったこれだけで適切なロット数を導くことが可能で
す。
それを踏まえて 『2,リスク許容の設定』の部分で話したことのおさらい をします。
最初に仮定した状況でのトレードで負けてしまい 10000円の損失が出たとします。 損失許容、損切り幅はそのまま 口座残高は1万円なくなってしまい9万円です
この場合の式は
90,000× 0.1 ÷10 ÷ 1000 = 0.9 lot
になるので、次にエントリーでの適切なロット数は 0.9lotが適切だとわかります。
そしてこの場合の1pipsの値動きは 900円になるので
失った1万円を取り戻すには
10,000 ÷ 900 で 約11.2pips獲得すれば問題ないことがわかります。
仮に先ほどのトレードのTPが10pips上で、TP,SLがそれ ぞれ上下10pipsのリスクリワードが1のトレードをした としても、1回のトレードで原資近くまでリカバリーで きる可能性は非常に高いです。
トレードでの損失を取り返すために 次のトレードでロットを大きくしてしまう方は多くいま すが、適切な資金管理を覚えておけば わざわざそのようなリスクを負う必要がないことが理解 できると思います。

5.まとめ

今回の話を踏まえて 私が普段から簡単な目安で1万円につき最大で0.1lotと 言っている理由もある程度わかるのではないでしょう か。
私の普段のスキャルピングでは 主に上下10pipsの値幅がメインのリスクリワードが1に なることがほとんどです。
そして今日お話しした損失許容も10%で行っています。
1万円につき0.1lot では 1pips で 資金が1%(100円) 動 くので、単純計算すると、10pipsの値動きで資金が 10%動くことになります。 これによって複雑な計算をせずとも簡単に資金管理をす ることが可能になっています。 もちろんリスクは高いものですが…

口座残高 × 損失許容(%) ÷ 損切り幅 ÷1000 この資金管理をベースに、損失許容を10%での安定した トレードができるようになれば 最低60回ほどで資金を200倍(5万円であれば1000万円) にすることが可能です。
今回は資金管理に焦点を集めましたが 近いうちに手法も配ることができればと思っているので 勝率や損切り幅など手法の部分はまた追って説明ができ ればと思います。
今まで資金管理をなんとなくでやってきた人がいればこ
れを機に見返してみてくださいね。