雇用統計とは

雇用統計とは何か

「米雇用統計(Current Employment Statistics)」は、アメリカの雇用状況を示す統計データであり、アメリカ経済の健全性や動向を示す重要な指標の一つです。
この統計は、約13万1千の企業や政府機関(約67万の事業所)を対象に調査が行われます。

この統計は、アメリカ労働省の労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics (BLS))が毎月の12日を含む1週間の期間にわたる雇用データを収集し、調査から3週間後の翌月の第1金曜日に発表します。
発表のタイミングは夏時間と冬時間で異なり、日本時間でいうと夏時間では21時30分、冬時間では22時30分になります。

アメリカの個人消費は国内総生産(GDP)の大部分を占めています。
雇用状況は直接的に個人消費に影響を与えるため、経済全体に大きな影響を及ぼします。
従って、雇用統計の発表はアメリカ経済の健全性や今後の政策に関する重要な情報源となっています。

雇用統計で注目したい3つの指標

米国の雇用統計には、非農業部門の雇用者数、失業率、平均時給など、雇用に関する10以上のデータ項目が含まれています。その中でも、特に注目されるのが非農業部門の雇用者数、失業率、平均時給の3つの指標です。

非農業部門の雇用者数

米雇用統計における非農業部門の雇用者数とは、農業部門以外の産業分野で、政府や民間企業に雇用されている人数や増減をまとめたものです。

一般的に、雇用者数が増えれば個人消費の拡大も期待できるため、重要な指標として注目を集めています。

非農業部門の雇用者数は、経済の健全性と成長の指標として広く用いられ、雇用市場の動向を把握するために重要です。

雇用者数の増減は、経済の安定性や個人の消費行動に影響を与えることがあります。

 失業率

米雇用統計における失業率とは、アメリカ国内の失業者数を労働人口で割って算出し、割合と増減をまとめたものです。

失業者数は16歳以上の働く意志を持つ人たち、労働人口は失業者数と就業者数をあわせた数で算出します。

一般的に、失業率が上昇すれば、個人の消費も低迷しやすいです。

失業率は、米国の雇用統計において重要な指標の一つです。
これは、アメリカ国内の失業者数を、
労働人口(16歳以上の働く意志を持つ人々)で割って計算し、
割合とその変動を示すものです。

具体的には、失業者数は失業中の人々の総数を指し、労働人口は失業者数と就業者数を合わせた数です。

失業率は経済の健全性や雇用市場の状態を評価するための重要な尺度であり、通常、失業率が上昇すると、経済における不確実性が高まり、個人の消費が低迷する可能性があります。
そのため、政府、中央銀行、経済学者、投資家などが経済状況を判断し、政策決定を行う際に失業率を注視します。

また、失業率の変動は通貨価値や金融市場にも影響を与えることがあり、市場全体に大きな影響を及ぼすことがあります。

 

平均時給

一般的に、平均時給が上がれば、個人消費の拡大につながりやすいです。

平均時給は、米国の雇用統計において注目されるデータの一つで、農業部門を除く主要産業での1時間当たりの平均賃金とその変動を示します。
平均時給の動向を確認することで、人件費の変化を把握し、景気の状況を判断するのに役立ちます。

一般的に、平均時給が上昇すると、労働者の収入が増加し、これが個人の購買力の向上に繋がることが期待されます。
そのため、平均時給の増加は通常、個人消費の拡大につながり、経済の活性化に寄与すると考えられています。
逆に、平均時給の低下は、経済の健全性に対する懸念を引き起こすことがあります

雇用統計のような大きな指標の後はいつもよりもイレギュラーな動きをする可能性があるので指標後のトレードには十分気をつけましょう